ホメオパス人材発掘プロジェクト

2015年12月中旬、バンコク在住のブッシュレメディプラクティショナー・カウンセラーのアルーナ暁子氏のアレンジで、インドのホメオパス ファロックマスターのホメオパシーセミナーに参加が叶った。

3日間で2万円(早割は1万8千円)という安さに反して、急性症状への対応、ポテンシーの選び方、反復の頻度、ケントのやり方の問題点、という理論講義の他、その場で合計10ケースほどのクライアントをとり、参加者の前でレパートライズし、レメディを処方してしまうという内容の濃い講義だった(クライアントは簡単な急性症状から自閉症児に至るまで多岐に渡り、処方のコツを全て惜しみなく開示)。

 

またこの講義が始まる時にファロックマスターは

「私はお金が欲しい訳ではなく、ただただ本当のクラシカルホメオパシーを学びたい人に教えたい、クラシカルホメオパシーの普及に尽力したい、それだけで今ここにいる」

と言われた。

基本に忠実なホメオパシー、つまりサミュエル・ハーネマンに忠実なホメオパシーを願う心あるホメオパスは、ハーネマンの精神をそのまま継承していることを見せつけられた瞬間だった。

ホメオパシーでなすべきは金儲けではなく、病める人に健康を回復させる事である。

 

ホメオパシーは日本のブログで書きたてられているような華やかなマジックではなく、実際はプルービングという地道で地味な作業と、臨床結果の検証と統括を繰り返して積み上げられていく忍耐が必要な領域である。バンコクではLIGAに準拠し、ホメオパスの資格を医療関係者(医師・薬剤師・獣医師)に限っているとの事で、講義参加者の多くは医師か薬剤師だったが、どの医療関係者も温厚で深い眼差し、好感のもてる清潔感を備えた質素な服装だったことが何よりも印象に残った。

 

日本のクラシカルホメオパシースクールで出会った講師・参加者は、どうしても経済的に強固な力を有する人が中心で、そのために、どこか世間ずれしているという印象も受けてきた私だが、ファロックマスターが願うような「クラシカルホメオパシーの普及」にあたってはそのような日本特有の経済的条件が、地道なホメオパシーを学べる資質を持った人材発掘を妨げているのも日本の現状である。

 

世界を渡り歩く経験豊富なホメオパスの講義を字幕化できたことで、多くの人に本当のクラシカルホメオパシーを学ぶチャンスを作ることができたと自負もしている当交流協会だが、今後はさらに多くのホメオパスの講義を提供できるように、交流会のコンセプトに賛同し、参加してくれる人材を心から待っている。

 

世界のホメオパスたちは日本人に本当のクラシカルホメオパシーを教えたがっている、これはファロック・マスターからもロジャー・モリソンからも届いている明確なメッセージだ。既存の大団体にお金を入れることで日本にホメオパシーが来る、という宣伝は妄想にすぎない・・・